氷出しでしか出会えない濃厚な甘み。『夏玉露』の魅力と正しい淹れ方
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暑い季節に恋しくなるのは、爽やかな夏煎茶だけではありません。
グラスの中でゆっくりと氷が溶けていくのを眺めながら、じっと待つ。そんな贅沢な時間の先に待っているのが、玉露をあえて氷で抽出する「夏玉露」です。
一滴、また一滴と落ちてくるお茶は、まるで蜜のようなとろみと輝きをまとい、口に含んだ瞬間、渋みをほとんど感じさせないまま、驚くほど濃厚な甘みと旨みだけがふわりと広がります。それはもう「お茶を飲む」というより「甘露を味わう」という表現がふさわしいかもしれません。
暑さで火照った体に、キンと冷えたこの一杯を流し込む瞬間を想像してみてください。この時季にしか出会えない、特別なごちそう。それが夏玉露です。
玉露はもともと「渋みが少なく甘い」お茶
玉露は、茶摘みの2〜3週間前から茶園に覆いをかけ、直射日光を遮って育てる「被覆栽培」という手間のかかる製法で作られます。
日光を浴びると、お茶の旨み成分であるテアニンが、渋み成分のカテキンへと変化してしまいます。そこで茶園にじっくりと覆いをかけることで、この変化を防ぎ、渋みを抑えたまま甘みと旨みをたっぷりと蓄えた、贅沢な茶葉に育て上げるのです。
いわば玉露は、生まれながらにして「甘さのために育てられたお茶」。その時点ですでに、他の緑茶とは一線を画す存在なのです。
なぜ「氷出し」にするとさらに甘くなるのか
玉露は本来、低温(50〜60℃程度)でじっくりと時間をかけて淹れることで、甘みと旨みがもっとも引き立つお茶です。
そこに氷を使うと、お湯よりもさらに低い温度でゆっくりと成分が溶け出していきます。渋み・苦みの成分はほとんど抽出されず、代わりに旨み・甘みの成分だけがじわじわと引き出されていくため、まるで蜜を垂らしたかのような、とろりと濃厚な一杯に仕上がるのです。
急いで淹れたお茶では決して味わえない、じっくり待った者だけへのご褒美。それが氷出し玉露の正体です。
夏玉露のおいしい淹れ方(目安)
- カークボトルに玉露の茶葉を10〜30g入れる(たっぷり淹れるのがおすすめ)

- 氷をこんもりと入れる(お湯は使わない、または少量の水を先に含ませる)

- 氷が溶けきるまで、ゆっくりと待つ
- 溶けたら茶漉しで漉す。

- グラスに注いでそのまま、あるいは氷を浮かべて
じっと氷が溶けるのを待つこの時間もまた、夏玉露を楽しむ醍醐味のひとつ。冷蔵庫でじっくり24時間浸出させるのもおすすめです。
※急いで作りたい場合は、湯冷まし(40〜50℃程度)した湯を少量使う方法もあります。
夏煎茶との違い
- 夏煎茶:氷で一気に冷やす、爽やかな香りとキリッとしたコクのバランス
- 夏玉露:氷でじっくり抽出する、渋みのない濃厚な甘みと旨み
同じ「氷を使ったお茶」でも、味わいはまったくの別物。喉の渇きを爽やかに潤したい日は夏煎茶を、じっくりと自分と向き合いたい特別なひとときには夏玉露を。その日の気分やシーンで選び分けるのもおすすめです。
こんな方におすすめ
- 渋みが苦手だけど日本茶は好きな方
- 特別な日のご褒美ティータイムを探している方
- 濃厚な甘みにとことんこだわりたい方
- 夏のご挨拶ギフトを探している方
まとめ
氷出しでしか味わえない、とろけるような濃厚な甘み。それは夏玉露ならではの、この季節だけの贅沢です。
奥八女の恵みがぎゅっと詰まった一杯を、ぜひこの夏、特別な時間とともにお楽しみください。